director's voice

tete(陶芸)

Q1
愛知県西尾市で作陶する加藤好康さん、智恵美さん夫妻の工房tete。
「工房からの風」にはどのような作品を出品されますか?

A1
植物などの自然からインスピレーションを得たデザインのテーブルウェアや、シンプルで凛とした佇まいの白磁の器などを製作しています。
主に石膏型を使用し、その中の圧力鋳込みという成型方法を用いて制作しており、例えば器の表面・裏面の両方に装飾を施すといった、この技術に特化したデザインを取り入れています。

元々、やきものの産地で職人として働いており、大量生産のラインにのせられないデザインが数多く存在する事を感じていました。
手間のかかるデザインはコストやロスの割合が高くなるため、そういった企画はメーカーでははじかれてしまいます。
そこで自分達が身につけてきた高い技術、具体的には石膏型という生産力の高い器の成形方法を用いて、一点物のようなデザインを生産します。
こうした方法で、家で過ごす時間をより楽しく華やかにするような、まだ見ぬ新しい作品を出品します。

[三ツ仕切りプレート-kaze-]
スタックを考えた高台にしており収納がしやすくなっています。
我が家では朝食はワンプレート、夜はおつまみを乗せて使用しています。

[フラットプレート-ishi-]
[輪花カップ]
[青白磁 鎬鉢]
自然物からインスピレーションを得てデザインした器です。

[一輪挿し]
野草や小花などを挿して気軽に花を楽しめます。
器の底面に磁石を埋め込んでおり、倒れにくくなっています。

Q2
teteさんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
工房で特に大切にしている道具は「石膏鉋」(せっこうがんな)です。
石膏型を製作する会社に勤めていた時に職人の上司からいただいたものです。
様々な形の鉋がある中で、基本となる技術を習得するまで一番使い込んだもので、今でもこの鉋以上に自分の思い通りに削れる鉋はありません。
そのため数ある道具の中でも一番想いの強い道具です。

白磁の造形美を求めた陶芸作品から、日々の器とが制作の両輪のようになっているように感じる加藤好康さん。
工房からの風には、tete名の器を中心に出品くださるように思います。
肌合いとフォルムの美しい器に盛る料理や草花。
そんなあれこれを想い描きながら、作品に触れると心が弾みますね。

teteさんの出展場所は、コルトン広場、
モニュメント周り。

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